カクテルにはコースがある、といっても、バーでは、レストランのように、最初から最後までお仕着せのメニューを飲まされることはまずありません。ア・ラ・カルトが基本です。
それでも、レストランに慣れた人なら、ア・ラ・カルトのときでも自分の食べられる量を勘案してメインを肉だけにするか魚だけにするか、あるいは肉も魚も食べるか決め、それから前菜・デザートと決めていきます。つまり、自分なりのコースをつくって食べます。
それができるのは、もちろん何度かお仕着せのコースを食べて、体験的にレストランのコースの法則を知っているからですが、カクテルの場合も、まわりに指南役となってくれるバーテンダー氏がいたり、お酒の先輩がいて、コースの法則をそれとなく教えてもらえれば、やがては自分の心の中にコーディネーター/バーテンダーが住み着いて、自分の酒量に応じてメインを何にするか決めて、前菜・デザートと考えていくことができるようになります。
もちろん最初のうちはメインを取りすぎてデザートが入らなくなったとか、家に帰ったら飲み過ぎでおなかが苦しくなったとかいう失敗をするかもしれません。
でも、それはレストランで食事するときも同じことですし、その失敗を次回の飲みに活かせば、遠からぬうちになんとなく自分の酒量はつかめるはず。
同じものを飲み続けているときは、ある程度過ごすと何杯飲んだかわからなくなるものですが、なにせカクテルの場合は一杯一杯のアイデンティティがはっきりしていますから、たとえ途中から記憶がなくなっていたとしても、そこまでの杯数を数えるのは楽です。