もちろんバーだって営利企業ですから、お酒一杯で長っ尻しているお客に次をうながすのがいけないというつもりはありませんし、在店時間とも飲酒量とも関係のないチャージなる料金をとって、一杯だけ飲んで帰る客が一番ばかをみるようなシステムにしていたからとて、特別に非難されるべき性質のものではないとも思います。
長い目でみたとき、客が身体を壊すような飲み方を許すことが、そのお店にとって得かどうかはかなり疑問ですけれど、なにせお上からして酒税が欲しいばかりに売らんかな政策を続けていますし、テレビも新聞も酒の広告で大いに潤っていますし、悪いのは自分たち売り手ではない、本人だ、だいたいお客のかわりなんていくらでもいるさ、などと考えれば、まあ、(少なくとも彼らにとっては)たいした問題でもないのでしょう。
ただ、自宅で飲むにせよ、外で飲むにせよ、壊れるのは飲む側の心身ですから、飲み手としてはそう悠長なことも言っていられません。お酒とは死ぬまでよい関係を結び続けたいと思っていても、依存症になって、問題を起こし、病院に連れて行かれたら、言い渡されることはただひとつ、「一生涯にわたる断酒」ですし、中毒症状から飲めない身体になったり、家族に苦労をかけたり、早世したりすれば、それはそれで、これを読んでくださっているようなみなさんにとっては、意に反することですよね?
「酒のない人生なんて」と嘯きながら平穏な人生を送りたいなら、目の前にバーテンダーといわれる人がいようといまいと、少なくとも心の中のバーテンダー氏にはがんばってもらわにゃならないのです。