とにかく充実した本。192種という掲載カクテルの数もさることながら、酒に関する蘊蓄を語らせたらまず右に出る方はいないのではないかという氏は、バーテンダー・マニュアルの監修などでもお馴染みでしょう。
カクテルを<酒+サムシング>という明快な姿勢でとらえる氏のカクテルブックは、巷のカクテルブックに比べれば、かなりきちんと読ませるものです。例えれば、辞書と参考書の違いと言うところでしょうか。
スタンダードと銘打ったコーナーには、名前さえ知れ渡っていればかなり近年の流行物まで収録されているので、話題が欲しいときには役に立ちます。なにせウチでいま索引を用意してある23冊のカクテル本のうち、この本にしか出ていないカクテルの数は35。著者オリジナルなどという自己満足が出ていないことを思えば、鮮度の高さは特筆に値すると思います。
ただし、シェイクがどうの、ステアがどうの、というレベルのことは書かれていないので、初心者が一冊目に買う本としてはちょっと敷居が高いかもしれません。