フランスはブルゴーニュの中心あたりにディジョンという、フレンチマスタードでも有名な都市がありますが、なによりディジョンといえばこのキール。地元名産のカシスリキュールと白ワインを混ぜるだけという簡単なものですが、その名を与えた名物市長とともに、今ではアペリティフとして世界中で親しまれているという──
のが建前なのですが、日本人の感覚からするとアペリティフにはちょっと甘すぎるかも。ぼくはデザート代わりに飲むのが好きです。
志乃さんに、近いうちにカシスのカクテルを入れますと言ったのはいつのことであったやら。たいそう遅くなりましたが、リクエストありがとうございました。
さて。
キールは、もとより甘いものだと言い切ってやまない方もいらっしゃいますし、極端な辛口にするくらいなら白ワインをそのまま飲んだ方がマシだという意見にもうなずけるところはありますが、甘すぎるキールは食前酒にはなりません。
好みにもよりますが、だいたいワインがオレンジ色に染まるくらいがちょうどの分量。
それより少ないとカシスらしさが生きてきませんし、ワインレッドになっては甘すぎるはずです。
クレーム・ド・カシスというのは、他の「クレーム・ド」と名のつくリキュールよりももともとの基準が甘口になっていますので、フランボワーズなどを使ったキールの兄弟分よりもリキュールの量を減らすようにした方がよいでしょう。
白ワインは、一応ブルゴーニュ・アリゴテというワインを使うのが本式ということになっていますが、別にブルゴーニュ産でなくとも結構ですし、もちろん値のはるヴィンテージ物である必要はありません。ただ、ある程度キリッとしたワインの方がカシスの風味は引き立つように思います。
三対一くらいの甘口にするとなかなか洒落たデザートになりますよ。