氷を詰めたミキシンググラスにライ・ウイスキーとベルモットを入れて、ステア。
マラスキーノ・チェリーを飾る。
好みに応じて、ステアする前にアンゴスチュラ・ビターズなどを一振りしても結構です。
マティーニがカクテルの王様ならば、マンハッタンはカクテルの女王様。
マティーニのようにみずから輝き出すことはありませんが、ほの暗いバー、それも木の匂いがするようなところにたたずむと、飲みたくなります。
マンハッタンといえば「酔っぱらう」という意味だそうで、なんでもオランダ人がインディアンからその土地を買いあげるときに相手の酋長を酒で酔い潰して詐欺まがいのことをしたところからついた名前だとか。
やさしい味わいで飲みやすいのでついグラスを重ねがちですが、決して弱いカクテルではありません。酒の勢いで空約束などして「マンハッタン」だったから無効だと言っても、あなたを狙っている人は聞き入れてくれませんよ――
なんて。
マンハッタンに使うウイスキーは、なんといってもライ・ウイスキーが一番です。二番目は、いささか軽くなりますがカナディアン。きついバーボンは下の下といった感じで、少なくとも女性が好む味にはならないと思います。
もっとも、きつすぎるバーボンをやわらげるという意味ではバーボン・マンハッタンもそう悪いものではありません。やわらかめのバーボンならマンハッタンにしてもおいしく飲めると思います。
スイート・ベルモットの量は、マティーニをつくることを考えるとかなり多めにしても大丈夫です。たいていのカクテルブックにはビターズの指定がありますが、ベルモットを多めに入れたときはとくに必要ないでしょう。
ウイスキーは、凍りません。が、冷やしすぎると香りが立ちませんので、冷凍庫に入れることはおすすめしません。ジンと違ってウイスキーはもとより常温で飲むことを考慮に入れてあるので、マンハッタン自体もあまり冷やすことに神経質にならなくてもよいと思います。