Charlie's Cocktail BAR

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細雪 / Sasameyuki

グラスにドライ・ジン、グレープジュース、シロップを注ぎ、よくステア。クラッシュト・アイスの半分を詰め、エバミルクをフロートさせてから、残りのクラッシュト・アイスを詰めて生クリームを適度に沈める。ストローを添える。

お好みでさらに分量外のグレープジュースを少々上にかけてもよいでしょう。

これも雪国と同じく、1956年12月12日に東京の日劇で最終選考が行われた寿屋(現サントリー)と『洋酒天国』共催のホームカクテルコンテストでグランプリに選ばれた作品。作者は京都の森川佳典氏です。材料の問題があって雪国に比べると知名度は劣りますが、このカクテルが呼び起こす情景の美しさ、忘れてしまうには惜しいと思いますよ。高橋すみさん、質問感謝です。

さて。

この作品、もともとはトリスの濃縮グレープジュース(当時は三倍に薄めて飲むのが普通だったそうです)でつくられていましたので、手に入る方はそれを使えばオリジナルの味を再現できるはずですが、いまどき濃縮物を探す方が難しいでしょうから、ここでは100%グレープジュースにシロップを補うことで代わりとしました。シロップの分量はグレープジュースの性格によって加減が必要ですが、クラッシュト・アイスで急冷することからもある程度甘くした方がおいしく飲めるとは言えそうです。

また、処方には一応エバミルクと書いておきましたが、ぼくが実際に使ったのは乳脂肪分47%の(動物性)生クリームを牛乳で割ったハーフ&ハーフです。ただの牛乳では味が薄すぎ、47%の生クリームでは濃すぎてダマになってしまうための処置ですが、もちろんエバミルクなり、コーヒー用のクリームが手元にある方はそれを使った方が話が早いでしょう(ぼくはコーヒーはブラック派なのでその手の品の常備がないのです)。ただ、同じように粘度があっても、味の点で飲むヨーグルトは避けた方が無難のようです。

で、肝腎の作り方ですが。

グレープジュースとシロップをあらかじめ混ぜておく手間をかけられるなら、グラスにクラッシュト・アイスを詰めてからジンと混ぜた(ないしもともと濃縮されている)ジュースを注げばよいのですが、ここでは後述する理由もあって、先にグラスの中でミルク以外の液体をすべて混ぜてしまっています。

クラッシュト・アイスの分量は、これもお好み次第ですが、全部でグラスの半量くらいが目安でしょうか。最初に指一本分くらい、これはエバミルクをフロートさせるために入れて、ミルクを乗せてから残りのクラッシュト・アイスでミルクを下に押し沈めるようにすると最初から比較的綺麗な「雪」が降ります。

オリジナルの処方には「(エバ)ミルクがとけて下に落ちるようにする」としか書いていないので、実際のところミルクがグラスの底まで沈むのがよいのか、浮いているクラッシュト・アイスの隙間から多少垂れるくらいにしておけばよいのか、いまひとつ判然としないのですが、牛乳を使っているカクテルカタログシリーズでは完全に底まで沈めていますし、生クリームを使う伊東正之氏の『スタンダード・カクテル』ではグラスの中程までしか沈めていません。どちらをよしとするかは個人の美的感覚次第でしょうが、ぼくは後者、空を舞う細雪のイメージの方が好きです。

ただ、いずれにしてもクラッシュト・アイスに触れると――それが牛乳であれ生クリームであれ――乳製品はなかなか下まで落ちていきませんから、ぼくのようにクラッシュト・アイスで下に押し沈めるなり、スプーンでかき混ぜて下に落とすなりするようにした方がよいでしょう(もちろん飲み手にストローでかき混ぜてもらってもかまわないわけですが)。

個人的には上から見たとき白一色になってしまうのが寂しく感じられるので、最後にスプーン一杯分ほどのグレープジュースを上から回しかけて藤色くらいに仕上げるのが綺麗だと思っています。

参考資料

Permalink | 2005/08/15 09:00


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