氷を詰めたシェイカーにサザン・カンフォート、ライムジュース、クランベリージュースを入れ、シェイク。
飾りは特に必要ありません。
スカーレット・オハラ。
言わずと知れた戦前の大作『風と共に去りぬ』の主人公ですが、恥ずかしながらぼくはこれまで映画も小説も目にしていなかったもので、彼女がいったいどういう人物なのか、ほとんどイメージを持っていませんでした。
いや、正確に言えば映画と小説の末尾にざっと目を通したいまでも具体的なイメージを持っているとは言いがたく、何杯か実験したうえで二通りの候補を用意して、どちらの方がイメージが近いかと映画の方は全編観ていたかみさんに訊ねたところ、「最初の一杯の方がおいしいけれど、スカーレットらしいのは二杯目の方」という返答をもらって対応に困っていたくらいなのですが、それはさておき。
いかにも南部のお酒らしいサザン・カンフォートと、アメリカを代表するクランベリージュースを使うところまではほとんどのレシピに共通しますし、たいていの場合はライムジュースも使うのですが、時にはライムジュースを省いたり、レモンジュースを使うこともあるようですね。
サザン・カンフォートとクランベリージュースのどちらをメインにするかは人それぞれで、ここではスカーレットの強さを代弁するべくサザン・カンフォートの方をメインにして、酸味をライムジュースで補い、クランベリージュースは色づけにとどめてみましたが、クランベリージュースをメインにして飲みやすく仕上げるレシピもあります(左のレシピの順に2:1:3にするとまとまりがよいですね)。
また、この場合、お好みでピーチツリーを一滴落とすと(スカーレットらしくはないですが)ふくよかさが増します。
もちろんここでピーチ・リキュールと言わずピーチツリーと言ったのは、みなさんご存知の通り、作者マーガレット・ミッチェルの住んでいた通りの名前がピーチツリー・ストリートだから。クランベリージュースではなくサザン・カンフォートをメインにしたのも、サザン・カンフォートの持つ桃の香りを意識してのことです。
本によってはクランベリージュースの代わりにブランデー漬けにした桃とあわせてブレンダーにかけるというレシピもあるくらいで、少なくともマーガレット・ミッチェルと桃との縁は深いのですが。
これ以上のことは、ぼくが買い込んできた原作と映画とを見てからの話ですね。