カクテルグラスの底にあらかじめグレナディンシロップをスプーンに一杯分沈めておく。
テキーラとオレンジジュースをシェイカーに入れてシェイクしたものを、最初は勢いよく、グレナディンシロップが浮き上がるように注ぎ、後はそっと、グレナディンシロップが混ざりすぎないように注ぐ。
もちろん、グラスに直接テキーラとオレンジジュースを混ぜてつくるやり方もあります。そのときはグレナディンシロップは一番最後にそっと加えて、底に沈んだところで少しかき混ぜるようにするときれいにできます。
メキシコの朝焼けは、こんなに赤いのだろうか。
朝焼けは雨、と覚えたのは多分小学校に入った頃だと思うのだけれど、ぼくが見る朝焼けはいつも、もっと蒼いような気がする。まさに空は白むのであって、赤らんだときでさえ、どこかはかなげな感じを覚えてしまうのです。
ともあれ、このテキーラ・サンライズは、ローリング・ストーンズが好み、イーグルスが歌にしたといういわく付きのもの。切り張りのデコレーションに頼らない美しさは見ていて気持ちのよいものです。
さて。
テキーラ・サンライズを、うまく飲みたいと思ったら迷わず小さなグラスにつくることをおすすめします。カクテルグラスの底にグレナディンを沈め、その上にシェイクしたテキーラとオレンジジュースを注いでいく。その注ぎ方で混じり方を調節すれば、あの朝焼けのグラデーションも簡単にできますし、なにより飲み干す直前のべったり感がなくなります。
グレナディンシロップは、ふつうにカクテルに使われる材料の中では一、二を争う重い材料です。ちょっとやそっとのことでは混じり切りませんので、時間をかければかけるほど分離し、底に沈みます。そのため、グラスに直接つくると、どうしても最後の一口はグレナディンの味が支配的になってしまうのです。
ぼくのレシピでも、最初のひと注ぎめの勢いが弱いと底に透明なグレナディンの層が見えてしまいます。勢いよく注ぐとどうしても少し赤が強すぎるかなと思えてしまうものですが、途中から勢いを弱めることで自然とグラデーションができてきますので半量くらいまでは恐がらずに入れてください。
グラスに直接つくるときはグレナディンを後から注いだ方がうまくいくようです。逆にすると、きれいなグラデーションができないか、テキーラの味が浮く感じがします。あらかじめテキーラとオレンジジュースはよく混ぜておいてください。グレナディンは、多少乱暴に入れても底に沈みますが、くれぐれも入れすぎませんよう。
なお、映画『テキーラ・サンライズ』ではメル・ギブソン扮する主人公デイル・マキュージック氏がエラドゥーラというメーカーのゴールド(アネホ)・テキーラでつくっていました。いつグレナディンを入れていたかはわかりませんが、ゴールドを使う場合、ホワイトよりもテキーラの量を増やした方がおいしく飲めるようです(テキーラとジュースが1:2〜2:3くらい)。ゴールドの方が味が落ち着いていて刺激が少なくなっていますので、テキーラがあまり得意ではない方はぜひお試しあれ。