あらかじめ室温に戻しておいた卵を卵黄と卵白に分け、まず卵白をしっかりと泡立てておく。卵黄は軽くほぐしてから砂糖を混ぜ、こちらもしっかりと泡立て、卵白に混ぜ、ブランデー、ラム、牛乳を静かに加えて、さらによくかき混ぜ、グラスに移す。
ナツメグをふりかけてもよいですが、刻んだチョコレートチップやココアの粉などをふりかけるのも素敵なものです。
「トムとジェリー」と言われて真っ先に思い浮かぶのはやはりあのマンガ(というかテレビ)でしょうけれど、これはかなり古いカクテルであるらしく、その筋では有名なジェリー・トーマスというバーテンダーがつくったとも、ピアス・エガンという人の書いた『Life in London』という本に触発されたものとも言われています。
いずれにしても冬、というかさらに限定してクリスマス向きのカクテルとして名前はよく知られているものなのですが、その割に本やバーでこの名を見かけないのは、べらぼうに手間がかかるとされているから。
早い話、バーテンダーが嫌がるカクテルなのです。
もっとも、そんなカクテルこそ、ウチのようなバーにはぴったりでして。
だまされたと思って、一度つくってみてくださいまし。きっと「次はあの人を呼んであげなくっちゃ!」って思いますから。
季節がほぼ一巡してしまいましたが、tamaさん、リクエストどうもありがとうございました。
さて。
あらかじめお断りしておきたいと思うのですが、バーテンダーいじめとして有名なこのカクテル、実は手抜きをしてもそれなりの味にはなりますし、実際、ホットの方は手を抜いてもあまり差が出ないようです(詳しくはトム&ジェリー(ホット)の方をご参照をば)。
しかし、常温でつくる方の違いは歴然。一度は手抜きナシの味を体験してみてください――というわけで、まずは卵の話から。
卵は、室温に戻しておいた方がよく泡立ちます。あればハンドミキサーを使うのが楽でよいですが、なければ泡立て器か、あるいは箸や串をまとめたもの(一人分ならこちらの方が小さくて便利かも)を使ってもよいでしょう。きちんとつくれば、手で泡立てた方がおいしくできます。
卵白を入れる器は大きめのボウルが便利。ケーキづくりの好きな方なら先刻ご承知でしょうが、卵白はしっかり泡立てると数倍にふくらみますので。
次、泡立て方。最初は泡立て器などをたたくように動かしますが、ある程度泡立ってきたら今度は器の底をこするようにして左右に動かすと、きめの細かい泡になります。
卵白、卵黄とも、器を傾けてみたときに薄い膜のような泡が残るようでは泡立て不足。特に卵黄の泡立てが不十分だと最後にざらついた感じが残りますのでご注意をば。
卵白は油が入ると泡立ちづらくなりますので、器や泡立て器をよく洗っておくのはもちろんのこと、泡立ててしまうまで卵黄が混じらないように気をつけましょう。
特にミキサーを使わない場合、卵白と卵黄をあわせる前に卵白をもう一度立て直しておいた方がよいかもしれません(上から見ただけではわからないかもしれませんが、下の方の泡が消えていますので)。
最後の攪拌はそのまま泡立て器などを使ってもよいですし、一人分ならシェイカーを使ってもよいと思います。その場合、目一杯振ってください。
グラスに移したとき、泡と液体の層ができず、底までふわふわのきれいな泡が立っていれば大成功です。
さて、一度やってみれば実感していただけると思いますけれど、これ、一人分をつくるよりも数人分をまとめてつくる方がはるかに楽です。みんなで手分けして楽しくつくってください。