バーテンダーにとって一番必要な物(事)って何ですか?・・・・・・
(by K)
その04やその43にも書きましたが、バーテンダーに限らず、なべて接客業で一番必要なものは「来店してくれるお客様にとって自分のいるバーが居心地のよいところであり続けるようにする心配り」です。極端な話、それさえあれば、あとはもう個々の技術論でしかありませんし、それはお店によって、そして巡り会ったお客様によって、千差万別ですから「何が」とは言えません。自分の信じるところにしたがって、自分のよいと思う物を選んでいってください。
――と言うだけだと抽象的すぎて分かってもらえないかもしれませんけれどね、これ以上は言いようがないというのが正直なところ。だって、この「心配り」をどこまで深く解釈し、実現できるかは、バーテンダー(に限らず接客業に従事している人)の腕であると同時に、個性なんですもの。
話の楽しい人もいれば、カクテルのうまい人もいる。それどころか、なにもなさそうなのににじみ出る人柄だけでお客さんの心をとらえる人もいるわけですが、少なくともぼくは、そこに優劣の判断を持ち込みたくはないです。というか、自分に対して何らかの形で親切にしてくださる方には、どこか不満を感じるところがあっても、なるべく良いところだけを見て、親切のお礼に金銭なり、何か別のものなりの対価を支払って、お互いに幸せになれるようにしたいと思います。
会話が下手? 騒ぎたいときには来ないかもしれないけれど、落ち着きたいときにはよろしくどうぞ。
カクテルをうまくつくれない? それならウイスキーなりリキュールなりのストレートを飲みますよ。
酒のことを知らない? 後で勉強しておいてくれるとうれしいけれど、とりあえずいまはその目の前の一杯をくださいな。
自分にはにじみ出るような深みはない? そんなの最初は誰でもそうです。
まあ、その親切の度合いと要求される対価の度合いが釣り合わないなら確かに不満を感じますし、その差が激しいようなら多分二度目は行かないでしょうが、それでももし、そのバーテンダー氏がぼくの方を見て、お金が服を着て座っているなどと思わずにお酒を注いでくれているなら、それ以上は――少なくともお客としてのぼくは――望まないですね。
だって、あとは、ご本人がいまのままで満足できるかどうか、ですもの。たとえ高いお金はとれなくてもこのサービスが自分には合っていると思っているものを、他人がどうこう言う筋合いのものではないでしょ?
長々と蛇足を付け加えた気もしますけれど、要は、人から金を巻き上げることばかり考えないで、ギブ&テイクを意識しましょうね、金を巻き上げるためにサービスを押しつけるのではなく、その人によかれ、と思うところからサービスを始めてくださいね、というだけのこと。こんなのバーテンダーにとっても何もないような気もするんですが、仕事として、お金がからむとつい忘れてしまいがちだから、自戒もこめて、野暮を承知で書いた次第です。
あ、念のため、逆も真なりですぜ。お客の側だって、人からサービスを巻き上げることばかり考えないで、ギブ&テイクを意識しないと。バーテンダー氏ばかり頑張ったってギブ&テイクの関係は成り立たんのですから。
(by Cha.)