内輪の話で恐縮ですが、作家をしている友人が先日新刊を出しました。タイトルは『酔いどれ犬』、著者名、樋口明雄、出版元はカドカワ・エンタテインメント。新書とも単行本ともつかぬ体裁なので書店ではかなり虐げられた場所に置いてあるかもしれませんが、帯によれば「人間の孤独と絆を描く傑作ハードボイルド」とのこと。
読了したぼくがあまり字数のことを気にせず書くとすれば「探偵ごっこで軽く味付けをした、すでに老人となった頑迷固陋な親父たちと、中年にさしかかってなお彼らとわかりあえぬことに苦しむ、これまた負けず劣らず頑固でまっつぐで、不器用な男たちの物語」というところ。
数年来の飲み友達としてはいろいろと言いたいこともあったので、読了後に言いたいことを言った――つもりでいたのですけれど、彼には些末なことばかり言って、どうも肝腎な気持ちはうまく伝えられなかった気がします。
いや、些末なことさえ、結構言い忘れたなあ。『アーリー・オータム』は、確か高円寺にあるんじゃなかったっけか、三宅君?――
実はこれ、先日結婚した彼のお披露目パーティーの席でいただいたもので、自分ではまだ買っていないのですけれど、席上「少なくとも三人にはおもしろかったと宣伝して」と言われてもいることですし、今回はたまたま「場末」の酒場が重要な舞台となっているので、この場を使って宣伝した次第。
彼がこれまで書いてきた冒険小説などに比べると「おもしろい」という言葉は適当ではないかもしれませんし、人によってはもどかしくて頭をかきむしりたくなるかもしれませんけれど、読んだら、いや読んでいる最中にもう、一緒に飲みたくなったのですから、ぼくは佳書だと思いましたよ。
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