Charlie's Cocktail BAR

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自分の股下ほどしかない子供を連れて散歩していると、ふだんの自分とはまったく違うところに目が行くものです。これもそんな散歩の最中に見つけたものなのですが。

「狭あい道路拡幅整備事業」

ほとんど一方通行としか思えない道路の道ばたに、そんな埋め込みがされていたのですから、意味はわかりますよね。狭い道路の幅を広げて整備しましょうという話。

正直に書きます。ぼくは瞬間的に「せまあい(=せま〜い)道路……」と読みました。そして、「確かに狭いけれどね、そんなに狭いことを強調するなよ」と、声に出して言ったか、内心思っただけであったかはもうすでに忘れていますが、頭をかきつつ通り過ぎようとして、ふと本当の読み方に思い当たりました。

そう、これは「きょうあい道路……」と読むべきもの、漢字で書けば「狭隘道路……」となるものですよね。

むかっ腹が立ちました。漢字で書けないのであればわざわざ漢語を使うんじゃない。誰でも読めるようにしたいのだったら、わかりやすい言葉を選んで使え。それがいやならもっと漢字の教育をしろ――。

ワープロやパソコンの普及で、若者が書くものにはやたらと難しい(おそらく手書きでは書けないであろう)漢語が並ぶという批判もあります。
その批判は、ある意味ではもっともなことで、文章自体が稚拙で、くだけたものであるのに修飾語だけがやたらと漢語になっているのは、こっけいですし、てらいと言われても仕方ないでしょう。

でも、その一方で、文章自体が硬く、漢語ばかりの表現なのに、その漢語の一部だけが開かれているというのも、同じくらいこっけいで、わかりづらいと思うのですよ。

たとえば、「きょうあい道路」と言われてすぐにその意味がピンとくる人で、「狭隘」の字を知らない人がどれだけいると言うのでしょう。
なるほど当用漢字ではない「隘」の字を書けない人なら、いるかもしれません。しかし、知っていて読めない人は、まずいないでしょう。「狭隘」なんて日常会話に頻々と登場するような言葉じゃありませんもの。ふつうは目から覚えるはずです。

この場合はたまたま「狭」も「隘」も似た意味ですので「あい」の意味がわからなくても通じますけれど、「後えい」ならどうでしょう。「後裔」も、「後衛」もありますよ。

なに、「後衛」は開くことがないからわかるはず? なら「そ上」はどうです? 「遡上」と「俎上」、これならどちらも当用外。

なんだかムキになってしまいましたが、新聞などで、本来閉じる(漢字にする)はずの漢語の一部が開かれているを目にするたびに、最近の日本の漢字教育を駄目にしているのは当用漢字という制度(というか、当用漢字でしばろうとする態度)じゃないのだろうかと、ぼやいているのです。

漢語を使いたければ漢字を使い、和語には無理矢理漢字をあてない。難字難訓を使いたくなければ漢語をやめる――というくらいを原則にして、あとは個人、団体の趣味、センスにまかせてしまえばよいと思うのですが、なかなかそうもいかないのかなあ。

はばかりにお題が投稿されてきたので一題追加。
ついでながら内部処理プログラムにバグを見つけて、それを修正。
ご挨拶を少々変更。

Permalink | 1999/04/06 09:00


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