Charlie's Cocktail BAR

  • −お酒は責任のとれる範囲で飲みましょう−

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これも本来はばかりネタですが、「シェイクするときのカッコイイ小技おしえてください」というTASTYさんへ。理由はこれから書きますが、「余計なことは一切しない」のが一番カッコイイです。「小技」だなんて、客からしてみればうざったいだけ。枯淡の味わいが出るまで頑張ってくださいませ。

さて、その理由。どうも先日来何か勘違いしているんじゃないかという質問が続いていますが、バーテンダーの仕事というのは基本的に脇役、それも、名もないエキストラではなく、存在感のある名脇役に徹することです。

主役であるお客様は、それこそ成人式を終えたばかりでバーに来るのは初めてという人から、自分よりも年かさで酒の知識も豊富なプロの酒飲みまで、さまざまですが、来店していただいた以上は同じように楽しく飲んでいただかなければなりません。

もちろん「同じように」といっても、何も知らない素人役者と、海千山千のベテラン俳優とを同じように遇しては舞台で同じように映えるはずもありませんから、素人さん相手には(自分が主役を食ってしまうことのないよう気を付けながら)積極的に引き立ててあげる必要があるでしょうし、自分よりレベルの高いベテラン相手には、自分が下手なことをするより、その方のいいように動いていただいて、それにあわせるようにした方がよい結果が生まれるでしょう。

さらに言えば、そういうレベルの違う役者さんをうまくとりまとめて、ひとつの舞台として成立させないと、お店としての統一感、雰囲気というものは生まれませんから、脇役としての仕事だけでなく、現場監督としての仕事もしなければなりませんし、舞台裏では大道具・小道具係としての仕事や、場合によっては総務・営業その他の仕事もしなければなりません。

そうして整えられた舞台の上で、脇役が自分を引き立ててくれるからこそ、主役たるお客様は「もてなされた」と満足するわけですが、そんな場で、脇役が目立とう目立とうとしていたら、どうでしょう?

極端な話、ごく普通の結婚式の場に、突然紅白歌合戦の衣装を身につけた小林幸子が乱入してきたら、花嫁さんはどう思います? 一生に一度の晴れ姿がかすんで、なお「すご〜い」と笑っていられるものかしら?

普通のお客さんはバーテンダーの姿を見るためにバーに行くわけではありません。自分が楽しむため、相手との親交を深めるために行くのです。

なるほど中には「カリスマ」と呼ばれる人たちを拝みに行くようなお客さんもいますし、そういう人の中にはそのカリスマ氏からぞんざいな扱いを受けてなお「それは自分が氏と親しい間柄だからだ」と勘違いしてしまう人もいるようですが(念のため、「カリスマ」といっても、必ずしもバーテンダーとしての技術は関係ないですよ。お客が群がる「美人ママ」なんてのも立派なカリスマです)、そういうのは、まあ、よく言っても邪道ですから、少なくともここでは無視しますし、そういう風になりたいというのでしたら、ぼくからは何も言うことはありません。

ただ、まっとうなバーテンダーになりたいのであれば、自分が格好よく目立つことより、いかに相手を格好よく目立たせてあげるかを考えてほしいなあと思います。

その下地があってなお、名脇役にはある程度の格好よさも必要だということでしたら、まずは全身の写る鏡で自分の姿を確認してみることをおすすめしましょう。背筋がピンと伸びているとか、動作がキビキビしていてムダがないとか、そういうのって、カウンターの外から見ていて、カッコイイなあと思いますよ。

Permalink | 2002/11/11 09:00


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