荷物を発送するために郵便局へ行って、帰ったら、目がかゆい。これってやっぱりアレかしら?(^^;) まあ、発症しちゃっているのは分かっているので今更慌てはしないのですが、なんだかかみさんもマスクを常用し始めましたし、しばらくは辛い季節が続くなあと、ため息またひとつ、なのであります。
それはさておき、「モスコミュールはノンアルコールのジンジャービアで作るのが正しいのかアルコール入りのものが正道なのかいまひとつわかりません。いかがなものでしょうか。」とご伝言いただいたちちさんへ。投稿されてきた時間から察するに某所のchi-chiさんなんだろうなあと思いながらのお返事ですが。
まず基本的な事実を確認しておきますと、ジンジャービアは、用意する材料によって度数は変わりますが、発酵の過程を経ますのでアルコール飲料です。ノンアルコールの表示があってもそれはあくまで日本を含む各国の酒税法でノンアルコールとみなされる度数未満のアルコールしか含有されていないというだけの話で、発酵の過程を経ず、ソーダにショウガのエキスや糖分を加えてでっちあげた製品を除けば、ごく微量であってもアルコールは含まれていますし、そのアルコール量は、発酵の際に加えた酵母と糖分(と発酵にかけた時間)の関係だけで決まります。
つまり、他の条件が同じであれば、発酵前に加えた糖分量が多ければアルコール度数が高くなりますし、発酵前に加えた糖分量が少なければ事実上ノンアルコールとみなされるアルコール度数になります。また、同じ糖分量であれば、発酵にかける時間を長くすれば(一定限度まで)アルコール度数は高く、また辛口になり、発酵にかける時間を短くすれば、アルコール度数は低く、また甘口になります。
これは、ジンジャービアに限らず、一般のビールでもワインでも日本酒でも同じ話で、自家醸造マニュアルによく書いてある通り、市販のビール醸造キットを買ってきて、指示されているより砂糖を多く加えて発酵させれば、キットに書いてある度数より強いビールを自家醸造できてしまう、と。
もちろん日本ではそんなことをしたら酒税法違法で捕まりますけれどね(^^;)
以上のことを頭に入れておいていただいた上で、モスコ・ミュールに使うジンジャービアの話をしますと、個人的な感想では、ノンアルコール物を使うより、たとえば日本ビールがライセンス生産している度数1.2パーセントくらいのジンジャービアを使う方がおいしくなる場合が「多い」と思いますし、少なくともぼくの限られた体験の中では、アルコール版を使う方がおいしかったです。
これは、ビールとノンアルコールビールの関係を考えてもらうとなおはっきりすると思うのですが、ノンアルコール版のジンジャービアは、最終的なアルコール度数をノンアルコールとみなされる範囲内にとどめないといけないため、(1)発酵にかける時間を減らしているか、(2)発酵に使える糖分を減らしているか、(3)あとからアルコール分を抜いています。
で、(1)と(2)の場合、十分な糖分を与えて発酵を完了させた物より発酵の過程で得られる複雑味が減りますから、風味の点で満足のいくものにはなりがたいですし、(3)の場合も、結局はアルコールを抜く過程で風味も同時に失われてしまいます。しかも、それを補うべく、ノンアルコール物にはしばしば人工的な風味が加えられるため、なんと言いましょうか、ノンアルコール版のジンジャービアは、本来のジンジャービアの味というより、ルートビア(分かんなかったらドクター・ペッパーの親戚と思ってください)とか、スーパーの調味料売り場に並んでいる乾燥ショウガの味がしがちなんですね。
当時のジンジャービアが、実際にどんな味だったかはわかりません。度数についても、もちろん謎です。でも、売れなくて困っていたくらいですから大量生産の品だったとは思えませんし、大量生産の品でなかったということは、上記(3)のように金のかかる手段でノンアルコール化していたとも思えませんから、少なくとも発酵を完了させた、ショウガの味が強い物だったろうとは予想できます。ましてやライムを補うことを思いついたくらいですから、相当量の糖分、発酵を完了させてもなお残糖分として残るくらいの糖分が加えられていたのではないかなあと、ぼくは思っていますが、どうでしょうね。
なんにせよ、こういうのは正しい正しくないの問題ではなく、自分が、あるいはお客さんがおいしいと思うかどうかの問題ですから、いろいろなメーカーのいろいろな品を試し、納得できる品がないなら自作して、これぞというモスコ・ミュールをつくってくださいまし。米Yahoo!などで"How to make" "ginger beer"などと検索すれば結構な数のサイトがヒットしますよ。
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