Charlie's Cocktail BAR

  • −お酒は責任のとれる範囲で飲みましょう−

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まずは、「先日、知人に連れて行ってもらった『新宿一汚いバー』というところで頂いたカクテルなのですが、ダークラムとライムジュースとシロップをシェイクしてから、ソーダで割る、というもので(だったと思う…)ものすごく美味しかったので、また飲みたいのですが……」というzittoさんへ。

もちろん他に正式名称があるのかもしれませんが、「ラム・フィズを、ダーク・ラムとライムジュースを使ってつくってください」と言えば、まずどんなお店でもつくってもらえるはずですよ。ごく安いお店で、カウンターの中にサントリーや明治屋(MYブランド)のコーディアル・ライムジュースが見えるようなら「できればライムジュースはフレッシュで」と付け加えた方がよいかもしれませんが、気の利いたバーテンダー氏の居るお店なら「ダーク・ラム・フィズを」と言うだけでお望みのものが出てくるでしょう。ぼくならもう一言、「少し甘めに」と付け加えます。自宅で飲むならシェイク不要の(ダーク・)ラム・コリンズがいいですね。二杯目はミントを加えてモヒートで。ああ、よだれ拭かなきゃ(笑)

と、軽い話をしたところで、いささか重いネタになりますが、昨日の酒の席での政治談義について、本職であるジャイアンさんから長いコメントをいただきましたので、適当に改行を加えつつ転載します。

酒の席でのご法度というと政治、宗教、野球と言われておりますが、これはなにも貴殿の言うように

「確かに政治の話は人を傷つけることもありうるという意味で怖い話ではありますけれど、怖いからっていつまでもそういう話を避けていたら、結局は人を傷つけずに話をする、お互いにぎりぎりの妥協点をさぐりながら話し合いをするすべを失って、あの「敵か味方か」しかない視野狭窄に陥るほかなくなるのですから。」

ではありません。

この三つの話題は容易に争いの、もっと言うと裁判(訴訟)等の原因になり得るゆえにご法度だと私は先輩から教わりました。

バーテンダーとお客さんが話していて、例えば特定の政党等を非難していて、その横で静かに飲んでいるお客さんがその関係者でないとは言い切れません。またお客さんどうしで話していてそこから論争になり険悪なムードをまわりに与える事もあるでしょう。事実私は、ある常連客がほかの常連客に言った何気ない一言から問題になったのを見ています。その時は訴えると言っていたのを店の上の人間がとりなし、詫び状として一筆入れてもらって収まりましたが。これを貴殿は「大人気ない」と考えるでしょうか? 私はその時(何で怒ったか知っているからですが)無理も無い。自業自得。口は災いの元。と思いました。

貴殿も「お断り」に書いているような、何がその人の信念かというのはなかなか知りようもありません。上の「政党」の部分を宗教や野球に変えたとしても私が見たようなことは容易に起こりえます。それは「酒の席」だからこそとも言えるのです。

それに対するぼくの回答。すでにジャイアンさんには同じ趣旨の話をメールでお送りしてあるのですが、こちらでは多少口調をくだいておきましょう。

さて、この問題は二つに分けたいと思います。

ひとつは、バーテンダーが、お客様がなさっている政治・宗教・野球の話題に関わるべきか否か。

もうひとつは客同士が、そのような話題を酒場でするべきか否か。

前者については、ぼくも否定的です。往々にしてその場で唯一しらふでいられる人間が片方の側に肩入れしているのを聞いて愉快に思わない方が出るのは当然ですし、この政治・宗教・野球(に、女性)の話は御法度というのも、本来はバーテンダーが客とかわしてはならない話として知られるべき言葉だったと認識しています。

ところが、いつしかその言葉だけが一人歩きしてしまって、客の側までもが酒場でそのような話をしてはいけないと思い込むようになってしまった。その結果、若者はただでさえ少ない年長者からの薫陶を受ける機会を失い、酒の席とは言え不用意な発言は人を傷つけることがあることや、政治的な発言、宗教的な発言は人としてどうしても譲れない一線を持つ方も多いのだから、そこまで踏み込むようなことをしてはならないといった、同世代、同人種との触れあいだけでは得難い知恵を得られなくなっているのではないか――。

これは、日本人にとっては馴染みの薄い問題かもしれませんが、人種や宗教についてより根深い溝をかかえる海外諸国では、たとえ酒の席であろうとそのような失言によって文字通り致命的な影響を受けることがあります――そもそも酒の席だからという言い訳が通用しません(そのような飲み方は反社会的と糾弾されますし、治安の面からも日本ほどそのような飲み方をしづらくなっています)――から、飲酒を許されるようになる以前の教育段階で発言の仕方、議論の仕方を徹底的に仕込まれます。

そのような場を、もちろん他に持てるなら、何も酒場で政治や宗教の話題をすることもないでしょうが、核家族化を例に挙げるまでもなく、社会全体で世代間の断絶や集団の矮小化が進むいまの日本に、そのような場ははたして存在しているでしょうか。

だいたい、洋の東西を問わず、反乱の火種は酒場から、と相場が決まっていたくらい、酒の席というのは政治的なにおいのつきまとうものでした。酒自体、時の政治に左右されずにはいられない飲み物です。昨今の発泡酒問題などもそうですが、ジンにしろウイスキーにしろ、英仏間の確執がなかったらいまほどの人気をもてたかどうか。

むろん、必要もないのに政治的な話題ばかり振ることがよいこととは思いません。が、我々の政治離れは、政治屋と呼ばれる人々を肥やすだけで、何の益もないことであることは言うまでもないでしょう。ましてこの参政権は、先達が多くの血を流しながら獲得した貴重な権利です。それを、常時五割近くもの人が放棄してしまっている。その責任の一端が先の一言にあるとしたら、まずは一度その悪しき常識を崩すところから始めるのがよいのではないか――。

もちろんジャイアンさんからでなくともさまざまな反論がありうるでしょう。緻密に練り上げた論文ではありませんもの、ぼく自身、上にあげた言葉のことごとくに反論を用意できます。

ただ、これはみなさんにも勘違いしないでいただきたいのですが、ここでこの話を振ったのは、ぼくの私見をみなさんに押しつけるためではなく、ぼくの私見を叩き台に、みなさんにそれぞれの立場からの意見を持っていただく(そして願わくばその意見を公開していただく)ためです。

だから、議論の勝ち負けはありません。個人の政治信条に口を出す気はないと書いた通り、ぼくはぼくで思うことを言いますが、みなさんはみなさんで思うことを言えばいいんです。そこで何か、自分の体験だけでは得られなかったであろう新しい知見を得られれば儲け物。「途中ドキリとすることもあったけれど、人間の幅が広がってよかった」と言えれば大成功なわけです。

というわけで、実はここでこうしてジャイアンさんからレスをいただけたというその一事だけで、ぼくはもうすでに書いた甲斐があったと思っているのですが(^^;)、せっかくもう少し突っ込んだ議論ができそうな機会ですから、本職の方でも、そうでない方でも、自分の考えを発表したい方は伝言なりメールなりをくださいませ。数が集まるようなら別に特集ページでも用意しますし、少なければここなり、はばかりなりに掲載しますから。

あ、念のため、あまりにもつまらないレスについては謹んで無視させていただきます。また、文意をねじまげることはしませんが、必ずしも全文を掲載するお約束はできませんので、あしからず。

ご覧の通り、これでもぼくは言いたいことの十分の一も書いていないつもりなのですが、それでもこれだけ長くなりますからね(^^;)

Permalink | 2003/03/19 09:00


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