Charlie's Cocktail BAR

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日本でもデカイパーのアップルパッカーが発売されたのだそうで。一年ほど前に書いたアップルティーニの話を思い出しましたが、さてはて、コスモポリタンに次いでアメリカでは2000年代を代表するカクテルとまで言われたこのカクテル、日本では定着しますかどうか。

念のため、アップルティーニはウオッカ・ベースがデフォルトです(ジンは使いません)。オリーブを落としたりはしません。以前はあまり見かけなかったように思うのですが、最近では好みでアップルジュースないしシードルで刺激を加えたりすることもあるようですね。たぶん日本人向けにはライムジュースのひとつも混ぜておいた方が無難でしょう。

それから、ヘミングウェイ・ダイキリことパパ・ドブレの話。Ernest Hemingway A to Z: The Essential Reference to the Life and Workが届いたのでパラパラめくってみたのですが、どうなんだろう。

パパ・ドブレの方は「伝説によると」スロッピー・ジョーのバーでつくられたことになっているのですが、少なくとも現在のスロッピー・ジョーで出されているパパ・ドブレ(ただし、彼らの表記はパパ・ドブレス Papa Dobles)は「アイランド・ラム、グレープフルーツジュース、グレナディン、スイート&サワー(出来合いのサワー・ミックス=レモンジュース+シロップ)、クラブソーダ、搾りたてのライム」だそうで、この本のレシピとは一致せず。

それとは別にダブル・フローズン・ダイキリの項も立っているのですが、こちらは『海流の中の島々 Islands in the Stream』でヘミングウェイ自身の投影と言われる主人公トマス・ハドソンがキューバのフロリディータで「砂糖抜き」のものを何杯も飲んでいるという話が紹介されているのみで、(『Islands in the Stream』自体も含めて)具体的なレシピはなし。

ただ、いずれにしても Papa Dobles と書いてある時点でスロッピー・ジョーを信用する気にはなれないんですよね。「ダブル一杯」というときは Doble でOKですもの。ヘミングウェイゆかりのバーであることをいいことに、わけもわからないまま適当に引用・改変して「パパお気に入りの一杯」にしてしまったんだろうなあと思わずにはいられない。

ちなみにこの本の著者氏もパパ・ドブレス Papa Dobles 表記なんですが、氏の場合はダイキリの方の表記も double frozen daiquiris のように複数扱いしていますので、単に何度も出てきたとかなんとかいう含みを持たせただけなのでしょう。Islands in the stream のなかでハドソンがダイキリを飲んでいたのは1944年のこと。ヘミングウェイ自身1941年の夏頃から1943年いっぱいまでほとんどキューバにこもっていたようですから、時期的にハドソンのフローズン・ダイキリとうまくかぶるわけで……たしかにヘミングウェイはそれ以前にもキューバに来ていますから確実なことが言えるわけではないわけですが、こうして年表とつきあわせながら考えてみると、やはりパパ・ドブレの成立は少し後方修正した方がよいのかも。

ついでながら、先だって紹介した Cuban Cookery (ca.1931)という本のなかにこんなカクテルがあったりします。

グレープフルーツ・ブロッサム

 グレープフルーツジュース 1/3
 バカルディ・ラム 2/3
 マラスキーノ 3ダッシュ
 クラックト・アイス。よくシェイク

なんとも悩ましいことですわ(笑)

Permalink | 2004/08/26 09:00


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