これもはばかりネタかなあと思いつつ、「ホテルでバーテンダーをさせて頂いています「たこ」と申します。年は22歳です。このたびホテルの店長を任されたのですが、バーとしての新しい企画があまり思いつきません。今回昼は、ハーブティーを主体とするカクテルをする予定。客層は家族向け、恋人向けになにかありますか??CHAさんは色々なバーをいったことがあると思います。なのでここのバーのこういう企画が良かったとかを聞きたいです」というたこさんへ。
まず……これはたこさんに限らない話なんですが、本当に具体的なアドバイスがいるなら連絡先込みでご連絡くださいね。ぼくもなるべく書き込みの裏まで読んでお答えするようには心がけてはいますが、漠然とした質問にはやっぱり漠然とした一般論しか返せませんので(^^;)
ともあれ、ごく基本的なところを確認しましょう。たこさんは、何のために企画をしたいと思ったのかしら? 上司に言われたから? 世間の風潮? 企画をしないと儲からないと思うから? そもそも、この場合の企画って、どういう性質のものなのかしら? いつも来てくださっているお客様にもう一杯余分に飲んでいただくためのもの? いつも来てくださっているお客様にいつもとは違うお酒を飲んでいただくためのもの? いつも来てくださっているお客様がターゲットなのではなく、その方の口コミでもうひとりふたり地元のお客様を増やそうというもの? それとも、もっと大きな目で見て、遠来の宿泊客や観光客を呼び込むためのもの? また、期間中一度だけ楽しんでいただければよいもの? それとも期間中何度も楽しんでいただきたいもの?
家族向け、恋人向けと、本来まったくカテゴリーの違うものをひとくくりにしちゃっていますが、仮に家族向けだとするなら、どうせいつもと同じものしか飲んでくれないであろうお父さんのことは放っておいて、企画好きだけど子供のことが気になってあまり飲めないお母さんが安心して飲めるようなものをテーマにするか、企画好きなお母さんは黙っていても乗ってくるだろうから、保守的なお父さんを引きずり込めるような何かを考えるか、で違ってきますし、家族連れをターゲットにするならいっそのこと大人は無視して、子供でも飲めるカクテルなんてのを出せば、家族単価は上がるでしょうね。
恋人向けでもそう。男性に余計に飲ませるか、女性に余計に飲ませるかで違ってきますし、飲ませるのはほどほどにして、おつまみを工夫して客単価をあげるとか、クリスマスやヴァレンタインのような恋人向けイベントの乏しい時期にそれらしいことをして客寄せをするとか、もっとありがちなところでは特定商品のみ値引きして(一般的にはそのときしか来てくれない)客数を増やすとか……選択肢はいろいろあるはずですよ。どれがたこさんや、たこさんがお勤めのバーにあうかはともかくとして。
そもそも、企画なんぞしない――そんなことをして異質な客層を呼び込みたくない――というのだって立派な選択肢のひとつなんです。
いずれにしても、肉体的にも金銭的にも、人が飲める量にはそれぞれ限度があるんですから、たいがいの場合、企画物で一杯飲んだら、ふだん飲んでいるものがその一杯分減るということはお忘れなく。飲む以外の何かがないことには企画をするメリットは薄いと思いますよ。
ちなみにぼく自身は、安売りとかなんとかの理由でふだん以上に人が集まっているバーはサービスが悪くなることが多いのでめったに行きませんし、行くとしても、人が少ない時間を見計らって行きます(^^;) 企画というのとは別に、それまでなかったお酒が入っているときは――オリジナルの商品であれ、どこかから購入してきたものであれ――なるべくそれを飲むようにしていますが、それで酒量を増やすということもめったにないですね。
見ていて成功しているなあと思うことが多いのは、お店の人がお膳立てだけしたら、あとは集まったお客さんの力で勝手に回っていくタイプの企画。典型的なところでは四月の花見やら何やらがそうですし、時事ネタならハロウィンの仮装パーティがそうでしょうが、お店としては場所と、せいぜい一、二品、なにか特別なお酒くらいは用意するから、あとは銘々勝手にやって――要するに、お店のサービスを主たる楽しみとしないでね――というもの。三人寄れば文殊の知恵というわけではありませんが、バーテンダーひとりの頭であれこれネタを考えるより、参加者全員にネタを出してもらった方が楽しめるものになりやすい。思い出してみれば当たり前のことでしょう?
皆までは言いませんが、それがすべてのヒントだと思いますよ。
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