Charlie's Cocktail BAR

  • −お酒は責任のとれる範囲で飲みましょう−

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なにをどう間違ったのか、トイレと布団を往復する日々。高熱が出て身動きできないというほどではないので多少調子が上向いたときには仕事の打ち合わせに出たりもしていたのですが、ひそかに楽しみにしていたBlog Hackers Conf 2005も、娘の運動会も、オフ会も、みんな出られずじまいでチトへこんどります――なんてことを書いてもちっとも楽しくない(し、読まされる方もいい迷惑だろうと思う)わけですが、「アンタはなにかというとすぐ貝になっちゃうから、怒ってるのか調子悪いのかもよーわからんのよ」との指摘を複数方面からいただいたのでとりあえず(^^;) なにかの拍子に背中をさわられたりすると飛び上がるほど電気が走るので、まあ、さっさと整体に行きなさいということなんでしょう。来月はまた忙しくなりそうなんで、近日中にはなんとかしたいと思っとります。ハイ。

というのはさておき、ぬえのしっぽさんへ。

2003/10/28の記事を読みました。
『完璧に混ぜる必要はない』……私は何度かダイキリに挑戦した事があるのですが、レシピ通りしても父は「酸っぱいね」と言うのです。私は甘党ですから、自分基準に作ったらいけないと思ってたまに砂糖を増やさないようにしても、さっぱり好きの父もどうも受けが悪い。アルコールのきつさも特に感じるみたいで、甘味があると和らぐのに、と少々悩んでいます。
マティーニも昔はドライではなかったと言いますし、ここの記事を見て「うちのやり方でいいのかも」と思いはじめました。でもあんまり違ってもいけないし、そこの加減を考え中なのですが……レシピというのはどこまで遵守するべきなのでしょうか。御意見を少し参考にさせていただけたらと思います。

まずはストレートにお答えしておきますと、「レシピというのは、その本質さえ守っていればあとはどうでもいい(アレンジ自由)」です。なにがその本質かというのはいろいろとむずかしい問題をはらんだりもするのですが、ダイキリの場合なら「ラムとライム(より正確には前回書いたリモン)、それに甘味付けのシロップ(や果実系のリキュール)でつくる(甘)酸っぱい、度数の高いもの」というのが基本線。

歴史的に見ると、ダイキリと、グレナディンを加えるバカルディ・カクテル(例の裁判で有名なヤツ)とは相互互換性がありましたから(ピンク色のをダイキリと呼ぶことも多かったし、その逆もしかりなんですね)、スプーン一杯分くらいまでの甘味は充分許容範囲と思ってください。

次。より身近なところから考えていきますと、これはぼく自身がそうなんですが、世の男性陣は概して酸味に弱い/敏感なものです。また、(自称辛党は多いんですが)甘さを感じさせない甘味には意外とうるさくないものです。

たとえば、三杯酢。いわゆるキュウリの酢の物などに使う酢と醤油、砂糖(ないしみりん)の混合物のことですが、あれを「酸っぱい」といって敬遠するお父さんはいても、「甘い」から二杯酢(砂糖抜きのもの)に変えろと文句をつけるお父さんはそう多くはないでしょう。

健康のために日頃から果物や(無糖の)ヨーグルトを食べているようなお父さんならともかく、そうでなければどんなにさっぱり好きといってもふだんは三杯酢ないしそれよりちょっと酸っぱいくらいの酸味までしか口にしていないはず(唯一例外があるとしたら梅干しの酸味ですが、あれはもともと酸っぱいのが前提で食べているものですからね)。だから、酸味を強調したければその線をちょっと越えるくらいに調整すればいいですし、もうちょっと穏やかにしたければ三杯酢の分量をめどにするとわかりやすい……かな?(^^;)

まれに砂糖(上白糖やグラニュー糖)の甘みはダメという方はいらっしゃるので、その場合は甘味料をふつうの砂糖から、たとえばぼくの場合はサトウキビのシロップに切り替えていますが、ラムやライムとあわせてもあまり違和感のないリキュール(定番はキュラソーと、ぼくはあまり好きではないのですがマラスキーノ)に変えたり、レモンとライムを混ぜて酸味を抑えたりするといいですね。生ライムの果汁に甘味料入りのライムジュースを混ぜるというのもある意味定番です。

ただ、レモンジュースだけに変えるのは――ホテル業界ではそういう方も多いみたいですが――ぼくのなかではご勘弁。レモンだけにするとダイキリという中南米のお酒がヨーロッパのお酒になっちゃう感じがしてイヤなんです。

これはぼくだけの感覚でなく、たとえば第二次大戦直後のアメリカでも、モヒートという中南米のカクテルをレモンでつくったものには「ヨーロッパ風(正確にはクリオーリョ=クレオール風)」なんて渾名がついていたというくらいには一般的な感覚。だからほんとはホテルの人たちにこそライムでつくってほしいと思うんですが、それはまあ余談としておきましょう。

ぬえのしっぽさんが参考にされたレシピがどういうものだったかはわかりませんが、海外のレシピでシロップが入っていないようなものはほとんどありませんし、ものによってはライムジュース以上にシロップを加えたりしていますから――たとえばニューヨークのドンともいうべきデイル・デグロフ氏(「キング・カクテル」の渾名があるカリスマ・バーテンダー)なんか、ラムが6にシロップが4、生ライムが3という比率ですもの――「(辛党の名誉を守るために)しらんぷりしつつ」ほどほどの甘味を足してあげてください。遊びのレシピというものもなくはないですが、たいていのレシピは、飲む人にとっておいしくなかったら無意味ですから。

Permalink | 2005/05/31 09:00


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