週末飲んだくれていたという友人の話を聞いてふと思い出したこと。
ぼくも数日前、つのるイライラにたまりかねて、仕事がらみで外出する機会があったのをいいことにちと予定外のはしご酒なぞしてきたんですが(ああ、量はたいしたことないです。酔っぱらったのはたしかですが、少なくとも二日酔いにはなりませんでしたから)、アンゴスチュラ・ビターズというお酒、ありますね? いわゆる苦味酒。冷凍庫に入れてあるアクアヴィットのショットにあれを数滴、というのはぼくがよくやる寝酒のひとつなんですが、その日はとにかくイライラしていたのでビターズをスプーン二杯にまで増量していただきまして――ちなみにそのくらい入れるとアクアヴィットのくせがいい感じに抜けて、ぼくは好き。万人受けはしないと思いますが――、一杯ではおさまらず、もう一杯くださいとお願いしたところで、ええ、ご想像の通り、マスターはさっきスプーンに取るためにビターズのポアラー部分を外していたのを忘れて、どっと、それこそ六対四くらいの割りにまでビターズを入れるという失敗をされてしまったわけですが。
その後、うちに帰ってから、あらためて再現して思ったのですよ。あたりまえといえばあたりまえのことなんですが、アンゴスチュラ・ビターズって、ストレートで飲んでもうまいんだよな、と。
ペイショーズの赤いビターズはそのまま飲んでもイマイチなんですが、アンゴスチュラ・ビターズなら、ストレートのショットで充分いける。もちろんショット一杯分くらい何の問題もなしですし、そのマスターの失敗作も、これはこれでおいしいですよなんて言いながら、少なくともぼくは、飲んでしまった。もちろんバランス的にはもう少しビターズを減らした方がアクアヴィットらしさが残っておいしいですし、マスターはつくり直しますよって言ってくれましたけどね。
もう十年くらい前になるのかな。いまはもうほとんど会うこともない友人の家に二、三十本分の材料をかついでいって、求められるまま、たしかマティーニをつくろうとして、キャップを外しそこねたオレンジ・ビターズをドバッと注いでしまった、なんて失敗をしたことがあるのですが、たぶんいまのぼくなら、それをおいしい、おいしいと言って飲んでしまうんだろうな。実際、冷やしたジンにオレンジ・ビターズ(できればサントリー/ヘルメスのじゃないヤツ、ね)を半分くらいというのも、これまたぼくのお気に入りのひとつですしね。
ビターズ、「苦味酒」って名前にだまされがちだけど、ちゃんと自分の舌で、本質をたしかめないとだめよね、と、あらためて反省したある晩のことだったのでありますよ。
や、お酒だけでなくてね。何ごとも、さ。