食事まである程度間があって、多少くつろげるという方は日中編の続きから始めるのが吉ですが、この時間ともなると明るい陽光は去って電灯の下で飲むことになるでしょうから、たとえ同じようなカクテルであってもグレープフルーツジュースやペルノのような黄みがかった素材にはご退場いただいて、むしろ蛍光灯や白熱球、ロウソクの明かりに近いカクテルを選んだ方がよいかもしれません。ジン・トニックやウゾの水割り、ちょっと色をつけるならシンガポール・スリングでもいいですね。
そのまま食事になだれ込むことを念頭に置いて雰囲気作りのワイン・カクテルを一杯という手もありますが、これはよしあしで、そのあとにもっといいワインを開けるつもりがあるのでなければ最初の一杯目くらいそのワインそのものの持ち味を楽しんでやりたいと、ぼくは思うのですがみなさんはどうかしら。
もちろん「開く」まで時間のかかるワインが後に控えているとか、飲み差しのワインがあるというなら、その前座のワインを使って日中編で紹介したワイン・カクテルを楽しむのもひとつの見識でしょう。
また、苦味の強い薬草系のリキュールを薄めて飲んだり(カンパリ&ソーダが代表例ですね)、さらに強者になると苦味の強い薬草系のリキュールを強めて飲んだり(ネグローニやピンク・ジンのほか、世界的にはマティーニもここに分類されます)することもありますが。
いずれにしても日本人は体質的にあまりお酒に強くない人が多いですから、食事前にあまり飲んでしまうとそのままおつまみだけ食い散らかして、締めのお茶漬けをかっ込んでおしまいということになりかねません。
それじゃイカンというつもりはありませんし、そういう向きには近日公開予定の「ガンガン」編を用意しているわけですが、食事の用意をしてくれている人がいるとか、レストランを予約しているとかいう場合は先に飲み過ぎないよう気をつけるくらいがちょうどよいかと思います。
なお、本来は言うまでもないことですが、仕事上がりの最初の一杯くらい横着をして冷えたビールやワイン、日本酒で「生き返」ったからとて誰に責められようはずもありません。カクテルがすべてだなどとは思いこみませぬよう。